この記事は、2022年11月13日に更新しました。

もくじ

Ⅰ. 前泊の重要性

以前、総合内科専門医試験の取り組みについて、過去の筆者のスケジュールを記載しました。

本稿では、宿泊、特に前泊の重要性について追記しようと思います。

総合内科専門医試験に限らず、他の主要学会の専門医試験でも同様でしょうが、ほとんどの試験は東京や大阪のような大都市で開催されます。
都内の医師など、試験会場周辺に住む受験生にとっては必要ありませんが、地方から受験に訪れる方には、必ずといってよいほど前泊をお勧めします。

もしかしたら、
「今は新幹線もあちこち開通しているし、時間地図だって短縮しているから始発の便で行けば会場まで間に合うよ」
・・・と考えている方もおられるでしょう。

病院の当番の都合などもあり、なかなか休みをとることができない、というのも背景にあるかもしれませんね。

ですが考えてみてください。 試験が行われるのは何月でしたか？

そう、9月上旬です。

この時期、台風のシーズンなので、飛行機や新幹線といった公共の交通機関が運行中止になることがあります。

具体的な数字を挙げてみましょう。
1951年から2014年までの統計上、日本に台風が上陸する時期を月別に算出すると、8月が34.6%、9月が32.4%であり、なんと8-9月が一年間に台風が上陸する頻度の7割近くを占めているのです。
しかも、9月は偏西風で日本に上陸しやすいうえ、熱帯地域の海水温がまだ高い時期のため、大型台風になりやすいのです。
(10月になれば、太平洋の気団が北風に押されて南にそれていくので日本本島には上陸しにくくなります。)

高い受験料を支払っておいて、試験会場にたどり着けない、ということは避けたいものです。

なお、認定内科医試験の場合はより深刻です。
認定内科医試験は7月の上旬に実施されます。この時期は学生達の夏休みシーズン前なので宿が取れやすい・・・かと思いきや、案外そうでもないのです。

実は7月は各国の卒業旅行シーズンなのです。
国の政策事業でもあるためか、最近はインバウンド（外国人観光客）が増えてきています。
都会ですと、彼らの宿泊施設としてホテルが埋まってしまう場合があります。
キャンセル待ちをしようにも、旅行会社が確保する分の部屋数というものもありますから、あまり期待できないでしょう。

詰まるところ、宿は早めに押さえておくしかありません。
（追記：認定内科医試験は新制度への移行に伴い廃止になりました）

その他、10月は中国の大型連休の時期ですから、この時期に学会などで国内の主要都市を訪れる予定の方も、要注意ですね。

Ⅱ. 格安ホテルは避けるべき？

ちなみに、宿をとるならあまり格安のところは狙わない方がいいと思います。

誤解を招く表現になるかもしれませんが、安過ぎる宿ですと、モラルが未熟な観光客が宿泊している場合があり、廊下で大声を出されたり、順番を待たなかったりと、余計なストレスを与えられる事があります。

日本のお作法・・・というよりも、国際的な常識ないしマナーの問題なのですが、一部の観光客には浸透しきれていません。
マナーを心得た客の宿泊先としては、せめて大手のビジネスホテルが最低限のラインであると考えた方が良いでしょうね。
やはり清潔度もぜんぜん違いますよ。

宿を探すうえで、 ”宿泊客の客層まで考慮する” というのは、海外観光地のガイドブックにも記載されているポイントのようで、万事に渡って留意するべき点の一つなのでしょう。
気にしなければいい、と言ってしまえばそれまでですが、文化の違う人々との価値観の共有は容易ではありません。
特に大事な試験の前夜は、ぐっすりと眠りたいものです。 「君子危うきに近寄らず」ですよ。

Ⅲ. 早期予約で高額な割引が期待！

少しお得なハナシになります。
筆者は、ポイントサイト経由で宿と新幹線をクレジットカードで早期予約することが多いです。

割引とポイント返還、クレジットカードのサービスなどで、上手くすれば通常の販売価格よりも計2000～3000円ほど安くすることができます。
浮いたお金で立派なお土産を買えますから、面倒がらずに試す価値は大いにあります。