【研修医の能率150%UP!!!】臨床力を上げるために必要な2つのポイント

もくじ

 

 

Ⅰ. はじめに

「どうも、勉強がはかどらない」
「覚えることが多すぎて、何から手をつければよいのやら・・・」

と、頭を抱えている研修医はおりませんか?
次から次へと課題が山積みになるのが研修医。
グズグズしていると、同期に大きな差をつけられてしまいます。

ですが、与えられた時間はみんな同じです。

決められた時間内で、いかに臨床力を向上させられるか・・・。
本章では、その能率化について少し考えてみました。

 

Ⅱ. まずは、能率のわるい方法を避けるようにしてみよう!

指導医の視点から、いまひとつ伸びない研修医の特徴を挙げてみます。

1)「教えられた次の日には忘れる」
2)「臨床と関係の無い知識ばかり拾ってくる」
3)「雑務に時間を取られすぎている」

いかがでしょうか?
1)~3)に思い当たる方はおりませんか?

次に、それぞれのパターンにおける詳細を挙げていってみましょう。

1) 「教えられた次の日には忘れる」

初期研修医としての緊張が解けるころによく見られます。
主に、
① 自分にとって興味の無い診療科をローテートしているとき
② やりっぱなしにして、復習をしない人

が典型的でしょう。

その場しのぎを繰り返して、なんとか規程の研修期間が過ぎるのを待っていたり、プライベートの何か(恋愛だったり、趣味だったり)で気をとられているケースがほとんどです。

具体的な対策は、

・指導医がその診療科の魅力をもっと伝えられるように努力する。
本章の読者は、研修医を対象にしていますが、あえて指導医側に注文をつける内容として掲載しました。
なぜならば、いずれ自分が指導医になったときに、ぜひ意識していただきたいことだからです。
なお、やたらと入局を勧める人もいますが、興味の無い人に対しては逆効果です。
ローテート中のモチベーションを上げられればそれで十分だと思います。

業務がプライベートに侵食されていないか?
「業務は業務」「プライベートはプライベート」なのですが、”その日の研修内容の振り返り”は、必ず当日のうちに済ませるのがキホンであり、研修医の業務です。その業務に支障が出るようなら、多少プライベートを削らざるをえません。
みなさんも、そうやって国家試験を突破してきたのではなかったでしょうか?
社会契約上、賃金は正当な労働と正当な対価のうえで支払われるのです。
給料を受け取る以上は、医師として正当な労働を発揮できるように、勉強を第一に考えなければなりません。

2)「目の前の患者と関係の無い知識ばかりひろってくる」

一例を挙げれば、消化器科をローテート中に、心電図の判読に力を入れたりしている研修医のことです。

目の前にいる患者さんこそ、自分にもっとも多くのことを教えてくれる存在なのです。
関係の無い分野の教科書を開くより、目の前の患者さんの診療に直結する内容を勉強しましょう。
他科の勉強は、救急外来での症例の復習にとどめるべきです。

内心、ほとんどの研修医は、
「今やるべきことは目の前の症例についての考察だ」
と気がついているのです。

ですが、
「アセスメントのやり方がつかめない」
「ガイドラインを開いたとたんに、専門的な知識の嵐に圧倒されてしまう」
と、ついつい
他科の勉強に逃げてしまうのです。

しかし、その”他科の勉強”の内容も、そもそも逃げ道としてえらんだのですから、安易で安直なものが多いのです。

実体験をまじえて診療した内容は、確実に自分の臨床経験として生きてきます。
逆に、いま目の前の症例に専念しなければ、表面上の知識を得ることに終始してしまい、結局何も残りません。

 

3.「雑務に時間を取られすぎている」

採血や書類整理などに時間をとられすぎてしまい、医師の本分である病態のアセスメントを考える時間が無くなっていませんか?

同時進行でできる業務は並行させて済ませましょう。
一般家庭の主婦は、洗濯機を回しながら炊飯と掃除を済ませてしまいますよね。

そうして得た貴重な時間を、医局で勉強する時間に回せば、研修はより深みを増していくでしょう。

ここでひとつ追記します。
まじめな研修医ほど、ルーチンワークを早く終わらせて医局へ戻ることに抵抗感を持たれるかもしれません。
「上司が仕事をしているなか、研修医の自分が医局の椅子に座って本を読むなんて、サボっているんじゃないか」と。

たしかに、研修医が一日中医局に居座る様子を見かけると、「学生気分のままだなぁ」と感じられて、指導医としては残念な気持ちになります。

ですが、
「上司が何やってるかわかんないけど、とりあえず病棟で突っ立っていよう」
ということほど無駄はありません。

何をやっているのかわからなければ、調べてくればよいのです。

きちんと知識を整理したうえで見学した方が、当然得るものは大きいでしょう。

それでも、医局で調べものをすることに後ろ髪を引かれる思いがあるならば、
「先生、ちょっといま何をやっているのかわからないので、調べてきていいですか?」
とひとこと断ればよいのです。

短気な指導医ならば、
「おまえ、前もって調べておけよ」
くらいのことを言ってくるかもしれませんが、それはその指導医の了見が狭いか、たまたま腹の虫の居所がわるかっただけ、のどちらかです。
研修医がついてきているかどうか、きちんとフォローするのが指導医の責任なのですから。

 

Ⅲ. 2つのポイント:集中力と要領について

さて、前述した1)~3)に共通点がないか考えてみました。

そこで気がついたことがあります。
興味がなかったり、何かに気をとられていたり、あるいは的外れの勉強をしていたり、業務のすすめかたが下手だったり・・・。

どうも、

「集中力の無さ」「要領の悪さ」の2つのポイント

に集約されるのではないでしょうか?

1)~3)への断片的な対策は先に述べたとおりですが、より根本的な対策も講じるならば、「集中力」と「要領」についても考察していかないといけません。

 

-1.研修医は責任と危機感を抱かなければ、集中力をきたえられない!

まず集中力について。

人はどんなときに集中するかというと、自力で危機を突破しなければならない事態に陥った場合です。

「ちょっと、勉強しないとまずいんじゃない?このままだと留年するよ?」

・・・という危機感があったからこそ、つらい試験勉強を乗り越えられてきたのです。

つまり、集中力が足りずになかなか覚えられない、もしくは忘れっぽいのは、「自分でやらなきゃダメだ」という危機感が足りないからかもしれません。

研修医は”見習い医師”ですから、法的にも施設に守られている立場です。
研修医が対応に困ったときは、必ず指導医が助けてくれるのです(少なくとも、そうなっているハズです)。

ですが、そこで
「自分がうまくいかなくても指導医がフォローしてくれる」
・・・などと甘えてはいませんか?

ある研修医の指導を任されたとき、中心静脈の穿刺手技中に、

「先生、刺すのはこの向きでいいですか!?」

と、頻繁に確認を求められたことがあります(患者さんも聞いています・・・)。

もちろん、最初は仕方ないと思って手取り足取り教えましたが、その後も手技の機会のあるたびに何度もこの問いかけが続きました。

「この深さでいいですか」
「この角度でいいですか」

おそらくその研修医は「指導医に断ったからOK」というお墨付きを得たいがために、そして「自信の無い手技で合併症が起きても、指導医がいいと言ったから大丈夫」という安心感が欲しかったのでしょう。

手技のあと、私はその研修医に、
「手ごたえがどうか、どのくらい刺さっているのか、やっている当事者の本人でなければわからない。研修医といっても、手技は”自分の責任でやる”という意識を持ってほしい」
と伝えました。

研修医に過度の責任を負わせるべきではありませんが、医師としての責任感を覚えてもらう必要もあるのです。

「自分の手技でなにか起きたら、自分のせいだ」

と。

実際は病院が研修医を守るようになっていますが、この当たり前の理屈を危機感として覚えてもらわないと、いつまでも自立できません。

それに、”研修”とは言いますが、給料分の仕事はしなければならないのです。
従って、早いうちに学生気分は抜いて、

「お勉強をしに病院に来るのではなく、お仕事をしに病院に来るのだ」

という自覚はもつべきです。

そうして芽生えた危機感と医師としての責任を自覚したとき、教えてもらったものを忘れない集中力が身につくのです。

-2) 要領について:学生時代のテキストは不要!?

さて、つぎに”要領”についてです。
家事のお手伝いに慣れている方は、この要領がうまいですね。

”要領”とは、人によって千差万別の方法があるので、究極的には個人がそれぞれ見出していくものであろうと思います。

それでも、明らかに要領の悪いと思われる方法は、
学生時代の教科書の読み直し
です。

実は研修医にありがちなのがこの方法です。
学生時代のテキストは、医師国家試験を突破した相棒であり、自信の源です。
ですから、臨床研修でつまづいた研修医は、もう一度学生のテキストにすがりついて、国家試験受験時の知識量がピークだったときの自分に立ち戻ろうとするのです。

医学生のテキストは、病態生理に重点が置かれており、治療学の実践内容はあまり書かれていない、という欠点があります。

たとえば、治療薬の種類は?と問われれば、「副腎皮質ステロイド」「硝酸薬」といった大雑把な回答は得られますが、臨床では商品名で用法と用量を指示しなければなりません。

内容に乏しい医学生のテキストを開くよりは、指導医からの耳学問で、
「この疾患にはこれをこのくらい処方」
と教えてもらった方が早く覚えますし、仕事がはかどります。
(もちろん、そのままやりっぱなしで済ませてはいけませんが)

 

Ⅳ. まとめ

いかがだったでしょうか?

いまいち伸び悩んでいる方は、仕事の能率化について検討をしてみてください。
業務のマネージメントがうまくいくようになると、研修生活のみならず、その後の人生設計が大きく変わってきますよ。

以下、本章のまとめを述べます。

POINTS!

研修の能率をあげるには、集中力と要領が大事!
学生気分から抜け出して、責任と危機感をもって業務にのぞみましょう!
その日に覚えたものは、やりっぱなしにせずに必ず”振り返り”をして、確実に身につけましょう。

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